Category: Branding | Hotel Management
Author: Shibata
Date: 2025.06.16
宿泊施設の国内集客において、「楽天トラベル」と「じゃらん」は欠かせない2大OTA(オンライン旅行代理店)です。どちらも利用者数が多く、クーポン施策やセール、検索導線が整っている一方で、それぞれ異なるユーザー特性や運用のクセがあります。
一方で、両サービスの違いをしっかりと理解しないまま、何となく掲載している施設も少なくありません。どちらが自施設に合っているのか、また、どう使い分けるべきかを把握することで、予約数の最大化と運用効率の改善が実現できます。
この記事では、楽天トラベルとじゃらんをさまざまな視点で比較し、それぞれの特徴を理解した上で、施設のタイプやターゲットに応じた効果的な活用方法を提案します。
項目 | 楽天トラベル | じゃらんnet |
---|---|---|
運営会社 | 楽天グループ株式会社 | 株式会社リクルート |
会員数 | 約3億(楽天ID) | 約1億超(リクルートID) |
強み | 楽天ポイント経済圏、クーポン連携、検索導線の強さ | 地方・温泉地に強い、家族・女子旅系の検索が豊富 |
決済方法 | 現地払い/オンライン決済両方対応 | 現地払い中心(オンライン決済は一部) |
セール・キャンペーン | 楽天スーパーSALE、地域限定クーポン多数 | じゃらんスペシャルWEEK、県民割との連携が多い |
楽天は楽天市場・楽天カード・楽天銀行などグループ全体のサービスと連携しており、ポイント還元を重視するユーザーを囲い込む設計が特徴です。一方のじゃらんは、旅行情報誌「じゃらん」を通じたブランド力と、地方観光に強い検索システムが支持されています。
じゃらんユーザーは「誰と・どんなふうに過ごすか」を重視し、宿の雰囲気やレビューのトーンなどから「宿の空気感」を判断する傾向があります。一方、楽天ユーザーは、ポイント還元や条件比較を通じて“最適な選択”をするロジカルな検索行動が特徴的です。
項目 | 楽天トラベル | じゃらんnet |
---|---|---|
管理画面の操作性 | やや複雑/多機能 | 比較的シンプルで直感的 |
写真やプランの登録方法 | 項目が多く設定に時間がかかる | 比較的テンプレート化されていて分かりやすい |
クーポン発行 | 自治体連携/事前申請が多い | 施設独自発行や即時型もあり柔軟 |
アナリティクス | 管理画面にアクセス分析や予約傾向が豊富 | シンプルな分析機能だが必要十分 |
楽天の管理画面は多機能である分、最初は戸惑うこともありますが、慣れれば強力な分析ツールとして活用できます。じゃらんは登録作業が比較的簡易で、初めてOTAを使う施設にも優しい仕様です。
施設タイプ | 向いているOTA |
---|---|
ビジネスホテル | 楽天トラベル |
地方観光地の旅館 | じゃらん |
家族連れが多い宿 | じゃらん(ファミリープラン充実) |
自社予約との併用を意識した宿 | 楽天トラベル(ポイント/価格調整しやすい) |
口コミ重視で集客したい宿 | どちらも対応可(返信の仕組みがやや異なる) |
たとえば、ビジネス利用が多い都市部のホテルは、平日稼働やポイント利用との相性から楽天が向いています。一方、温泉やレジャー施設を併設した地方の旅館は、じゃらんのユーザー属性とマッチしやすく、写真や体験型プランの訴求に強みがあります。
楽天とじゃらんを併用する場合、それぞれの特徴を活かしてユーザー層を分けた運用が理想です。
また、在庫・料金の整合性を保つためにはチャネルマネージャーの導入が必須。キャンペーン時の価格差や予約トラブルを防ぎ、スムーズな販売運用を実現します。
楽天トラベルとじゃらんは、日本国内で最大級の集客力を持つOTAです。競合と見るのではなく、それぞれに異なるユーザーが存在する“別の入り口”と捉えることが、OTA運用成功の第一歩です。
どちらか一方だけでなく、ターゲット層に応じたプラン設計と導線の最適化によって、予約数の底上げとブランド価値の向上が両立できます。
宿の個性を活かしたOTA運用で、もっと“選ばれる宿”へ。今いるお客様と、まだ出会っていないお客様、両方に届く戦略を一緒に考えていきましょう。
宿泊施設のブランディング、OTA関連施策、マーケティング、各種制作から施設運営まで幅広く対応可能です。
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