一休で上位表示を獲得する方法｜高価格帯宿泊施設が選ばれるための実践戦略

はじめに：一休で上位表示を狙う理由

高価格帯のヴィラやラグジュアリーホテルを運営するうえで、OTA（オンライン旅行代理店）での集客力は売上の柱になります。中でも「一休.com」は、富裕層・30〜50代のハイクラス層を中心とした利用者が多く、価格競争ではなく“体験価値”で選ばれるプラットフォームです。

一休で上位表示されることは、単なる露出増にとどまらず、ブランド価値の認知・口コミ形成・リピーター育成の起点にもなります。この記事では、一休の表示ロジックや内部施策、写真やレビューの最適化、そして「OTA→自社サイト」への導線戦略まで、実践的な手順をまとめます。

一休の表示順位はどのように決まるのか？

一休はGoogleのような明確なSEOアルゴリズムを公開していませんが、宿泊業界の実務者や一休管理画面の仕様から、次のような要素が影響していると考えられます。

影響度	要素	概要
★★★★☆	販売実績・予約率	よく予約されるプランや人気宿は上位に表示されやすい
★★★★☆	プラン設定の充実度	部屋タイプ・説明文・画像・特典などの情報量が評価対象に
★★★☆☆	レビュー評価・件数	評価点の高さ・件数が信頼性を底上げ
★★★☆☆	価格競争力	同条件なら割安感のあるプランが優遇される傾向
★★★☆☆	更新頻度・稼働率	アクティブな宿ほど優先的に表示されやすい
★★★★☆	一休 PLUS+・特集掲載	審査通過施設は上位露出枠での優遇あり
★★☆☆☆	写真・クリック率	視覚的な訴求力がCTRに影響し、間接的に評価される

つまり、一休の内部SEOは「予約が取れる構成」「見られる情報設計」「信頼を積み上げる運用」の3つが軸です。

ステップ1：プラン構成と情報設計の最適化

プランタイトルと説明文の戦略

プラン名に検索・比較で刺さるキーワードを入れる（例：「露天風呂付きスイート」「貸切ヴィラ×焚き火体験」）
冒頭3行でユーザーの判断を決める：どんな体験ができるかを先に書く
情報の完全性（料金タイプ、設備、特典）を担保

表示順設定を活用する

一休管理画面の「表示順設定」で、自動→手動に切り替え、主力プランを意図的に上位に配置します。新しいプランは新規扱いで一時的に上位表示される傾向があるため、販売タイミングを計算しましょう。

情報の“厚み”を出す

部屋写真は5枚以上、広角・ディテール・体験シーンを混在
キャプションに特徴ワード（例：「天然温泉」「星空ビュー」）
設備や備品は「体験」をイメージさせる文脈で記述

ステップ2：PLUS＋・特集・キャンペーン枠を使いこなす

上位表示施設の多くは「一休 PLUS＋」に登録済みです。審査制の優良宿制度で、特集ページ・メールマガジン・アプリ内おすすめ枠で優先表示されます。

また、通常プランでも「タイムセール」や「早期割」などのキャンペーンに参加することで、短期的に露出を最大化できます。

高価格帯ヴィラの場合： “割引ではなく体験価値の限定化”という戦略が有効。

ステップ3：レビューとリピーターを味方にする

宿泊後フォローメールでレビュー依頼
口コミ返信は24時間以内に。感謝と改善姿勢を明示
低評価レビューは放置せず、迅速な対応で信頼回復

ステップ4：写真と訴求コピーのリブランディング

高価格帯施設では、価格よりも「どんな体験ができるか」「誰と過ごすか」が購入判断になります。

写真の最適化

日中＋夜間＋食事シーンで構成
モデル利用で“過ごし方”を表現
トップ画像は「施設の象徴」を1枚で伝える

コピーのポイント

「上質」「静寂」「特別」「体験」など感性ワードを中心に
過ごす時間の価値を描写

ステップ5：OTA×自社サイトの両輪で売上を最大化する

OTAは高い手数料が発生しますが、新規顧客を獲得する最強の入口です。

一休で新規顧客を獲得する
滞在中・チェックアウト時に公式サイト・LINE・SNSを案内
2回目以降は自社サイトで直接予約してもらう

この導線により、OTA→自社サイトへの移行を自然に促進できます。

ステップ6：データモニタリングと改善

プランごとの表示回数・予約率を定期確認
クリック率が低いプランはタイトル・サムネイルを改善
エリア検索で自宿の表示位置を定点観測

ステップ7：継続が生む信頼とブランド価値

月1回以上はプラン更新・写真差替え・お知らせ投稿など、アクティブ運用を維持しましょう。動き続ける宿は一休のアルゴリズムにも好影響を与えます。

まとめ

一休で上位表示されることは、単なる検索順位ではなく、売上構造を変える戦略的アクションです。
内部最適化 × プロモーション活用 × リピーター戦略 × データ運用の4軸で運用を続ければ、
ヴィラや高価格帯宿泊施設は、長期的に安定した集客と収益を両立できます。

書いた人

株式会社Arch
代表取締役柴田敬介

1985年兵庫県生まれ。京都工芸繊維大学・造形工学科卒。建築専攻。
新卒でSMBC日興証券株式会社に入社。コンサルタントとして勤務。社内表彰を多数獲得し最年少管理職（当時）に。5年の勤務の後に起業。
2013年、株式会社XS創業。代表取締役就任。Web開発、地方創生ビジネスなどを展開。地方創生では、全国の道の駅グルメNo.1を決定するグルメグランプリを10万人規模で開催。当事業を讀賣テレビ放送株式会社に事業譲渡。
2017年、民泊事業を行う株式会社グランドゥースをAPAMAN株式会社とジョイントベンチャーにて創業。代表取締役就任。その後丸紅株式会社から出資を受け同社の持分法適用会社となる。創業3年で売上13億円、1000以上の施設を運営し、国内最大規模の民泊運営会社となる。AirbnbのBest Contributor Awardを獲得。東証への株式上場を控えていたものの、コロナウィルス蔓延に伴い事業縮小を余儀なくされる。
2023年、これまで培ってきたビジネス開発、ブランディング、Webデザイン、広告などの知見を元に、宿泊施設のブランディング、運営事業を行う当社を立ち上げ、代表取締役就任。