【許認可別】宿泊施設のブランディング戦略

Category: Branding | Hotel Management
Author: Shibata
Date: 2024-07-15

はじめに

2024年になり旅行需要が徐々に回復してきました。インバウンド観光客の復活も見られ、日本を訪れる外国人観光客の数は急速に増加しています。さらに円安の影響も加わり、外国人観光客が増加とともに、国内旅行を選択する日本人も増えており、活況になってまいりました。

このような背景の中で、ホテル、旅館、ヴィラなど宿泊施設が次々と新規オープンしています。しかし、競争が激化する中で、単に宿泊施設をオープンするだけでは生き残ることは難しくなっています。

多くの施設が同じようなサービスや設備を提供している中で、どのようにして他の施設と差別化を図り、顧客に選ばれる施設となるかが重要な課題です。そのためには、効果的なブランディング戦略が不可欠です。ブランディングを通じて、施設の特性や魅力を明確に伝え、顧客の心に残る体験を提供することが求められます。

どのように他の施設との差別化を図り、国内外のお客様に選ばれる存在となるか。

1,000以上の宿泊施設を運営し、ブランディングに携わってきた株式会社Archのノウハウを公開します。

宿泊という機能を売るか、体験を売るか

まず、ホテル、旅館、ヴィラなどの宿泊施設の立地により、戦略が大きく異なってきます。

新宿や渋谷のように宿泊需要が旺盛で、立地で勝負できるエリアでは、宿泊という機能だけでも十分集客が可能です。ブランディングを行うことで付加価値を加えることが出来ます。現在の様に需給バランスが良いときはすでに稼働は高い状態にあることが多いため、宿泊単価の上昇を狙っていくことになります。

逆に、主要な観光地が離れているなど、その場所に宿泊すること自体に明確な目的が存在しないエリアでは、体験を提供することが重要になってきます。わざわざその施設に宿泊する意味を創り出し、それを潜在顧客に伝えることが必要です。更に、良いサービスを提供していたとしても、そもそも調べる対象にならないため、SNS等で認知される工夫が必要です。

宿泊施設の種類による戦略の違い

ビジネスホテル

ビジネスホテルは、立地の重要度が非常に高いです。主要駅の近くや、観光地の近くに位置することが最大の武器になります。立地が厳しい場合、需要が落ちてきた場合に価格を下げて集客することになってしまうため、そうならないためには、細かな差別化や囲い込み戦略が必要になってきます。ポイントやキャッシュバックなどのリピーター向け施策を通じて、リピート獲得を目指します。

シティホテル・コンセプトホテル

シティホテルやコンセプトホテルは、立地に加えて、良い宿泊体験を提供することが必要です。上質なサービスや内装、魅力的なコンセプトの訴求を通じて、一般的なビジネスホテルに比べて高単価での宿泊を狙います。

ORDA HOTEL

ヴィラ

ヴィラは特にブランディングの重要度が高く、その施設にわざわざ来る理由を作ることが求められます。立地は、海岸沿いや湖畔、森の中など、都心では体験することが出来ない特別なものがある場所を選ぶ必要があります。また、BBQ、サウナ、プールなど通常のホテルには無い設備を導入することで差別化を図ります。ヴィラはArchが得意とする分野の一つでもあります。

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民泊

当社は民泊の運営に長期間携わってきましたので、多くのノウハウがあります。地域によって条例が異なりますが、その土地にあった最適な許認可を取得し運営する必要があります。販売戦略に関しては、低価格帯と高価格帯で戦略が異なります。

低価格帯:ビジネスホテルと同様に立地が重要です。設備の差別化は可能ですが、1人あたりの宿泊単価ベースの価格競争になりやすいです。ですので、家具の配置などは、ベッド数を多く取れるよう配慮する必要があります。その中で、どの様に選ばれる施設になるかが課題となります。

高価格帯:ヴィラと同様に体験価値や、大人数での宿泊などで高単価を狙うことができます。特別な体験を提供することで、顧客に選ばれる施設を目指します。

Archのブランディングの流れ

お客様のビジネスの理解

まず、お客様のビジネスについて深く理解することが重要です。立地、取得可能な許認可、ターゲット顧客層や競合環境、目指すブランドイメージ、ご予算など、詳細にヒアリングし、最適な戦略を策定します。

施設の条件の理解

物件を未取得の場合は、運営予定の施設のイメージに合わせて、物件の選定、ご提案を致します。

物件を取得済みの場合は、物件の立地や専有面積、所在地の条例などを調査し、旅館業(ホテル・旅館・簡易宿所)での許認可を取得するか、民泊(民泊新法・特区民泊)での許認可を取得するかを決定します。

取得する許認可に合わせて、必要な設備や、人員の配置なども決まってまいりますので、同時に全体的な収支計画の作成を行います。

ブランディング方針の提示

大まかな全体像を共有出来ましたら、その条件下でどのようなブランディングを行うかをご提案します。予算によっては実現が難しい内容も出てきますので、可能な範囲内で最大限の収益を生む仕組みを検討します。

特にヴィラやコンセプトホテル、高価格帯の民泊の場合は、差別化が重要になってまいりますので、どのような宿泊体験を提供するのか、それにかかるコストパフォーマンスをシミュレーションしながらプランニングを行います。

当社のプライシングに関する考え方などは下記の記事をご参照ください。

グラフ

【2024年版】宿泊施設の価格戦略完全ガイド:売上を最大化するためのプライシングの秘訣

Read Column

内装・家具・アメニティ選定、各種製作

ブランディング方針が決まった後は、方針に基づいて、物品選定、制作を行います。

  • 内装イメージ作成
  • FFE(家具)・備品の選定
  • アメニティ(歯ブラシ、シャンプーなど)の選定
  • 館内サインの制作
  • ロゴデザイン
  • 案内冊子・施設利用マニュアル等の制作
  • Webサイト制作
  • OTA(宿泊予約サイト)デザイン
  • SNS立ち上げ、運営
  • 各種キャンペーンチラシ、バナー制作

上記のような、宿泊施設の運営に関わるデザイン、選定等の業務を行います。

スムーズな運営開始に向けた一貫したサポート

当社の強みはブランディングから運営までを一貫してサポートできる点にあります。ブランディングをしたうえで、それを実行し、イメージを定着していく必要があります。運営をしていく中で、形骸化されてしまったり、当初のプランに修正が必要になってくることもあるため、お客様のニーズや市場の変化にいち早く気づくことで、プランの修正が可能になってきます。

最後に

Archではホテル・ヴィラ・民泊など宿泊施設のブランディング、運営を行っています。すでに運営されている施設のリブランディングも対応可能です。お気軽にお声掛けくださいませ。お問い合わせはコンタクトフォームよりお願いいたします。

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