Category: Branding | Hotel Management | Business
Author: Shibata
Date: 2025.10.29

近年、宿泊施設において ペット同伴宿泊の需要 が急速に拡大しています。背景にはコロナ禍によるおうち時間の増加や、ペットを家族の一員として扱う価値観の広がりがあります。日本のペット関連市場規模は2021年度に約1兆7億円に達し、2024年度には1兆円まで増えると予測されています 。犬と猫を合わせた飼育頭数は約1,589万頭とされ、30〜40代人口と同程度の規模にまで増加しています 。
ペットと一緒に旅行する「ペットツーリズム」の市場は特に成長が著しく、2020年に約400億円だった愛犬との旅行市場が 2023年には約650億円へと約1.6倍に拡大 しました 。この伸びは、宿泊業界にとってペット同伴宿泊が新たな需要源として注目されていることを示しています。
ペット同伴旅行者は通常の旅行客よりも宿泊単価が高いとされ、JTBの旅行者動向分析によれば 一人あたりの平均宿泊単価は2万円以上 に達すると報告されています 。特に30〜60代の女性が多く、中高所得層が主なターゲット です。こうした層は愛犬への出費を惜しまない傾向があり、設備やサービスに付加価値を求めるため、宿泊施設にとって利益率の高い顧客と言えます。
ペット旅行専門メディアの調査では、「ペットを旅行に連れていく」と回答した飼い主は約70% に達します 。宿泊先を選ぶ際に重視するポイントとして、「部屋で一緒に過ごせる」「食事も一緒に過ごせる」「ペット用アメニティが充実している」「犬が自由に遊べる施設(ドッグラン)がある」といった項目が挙げられています 。これらを満たすサービス設計が、ペット同伴宿泊需要を取り込む鍵となります。
2025年10月には、アパホテル〈高松空港〉が愛犬と宿泊できる コンテナ型客室「コテージルーム」 と全天候型 屋内ドッグラン を新設したと発表しました 。新客室はミニキッチンや冷凍冷蔵庫、ソファベッドなどを備え、長期滞在にも対応できる仕様で、ペットと一緒に過ごせるプライベートな空間を提供しています 。屋内ドッグランにはペット用温浴槽やセルフドライヤーコーナーが設置され、宿泊者は無料で利用できるなど、愛犬家向けの高付加価値サービス が充実しています 。地域の愛犬家コミュニティにも利用を開放しており、施設の認知度向上や地域活性化にもつながっています 。
ペット同伴宿泊の需要は、ペット関連市場の拡大とともに今後も伸び続けることが予想されます。2023年には愛犬との旅行市場が約650億円に達し、ペット関連市場全体も1兆円規模に拡大していることが確認されています 。また、ペット同伴旅行者の平均宿泊単価が2万円以上と高く 、宿泊施設にとって収益性の高い顧客層であることがわかります。
アパホテル〈高松空港〉が新設したコテージルームと屋内ドッグランのような事例は、ペット需要を取り込むうえで有効な施策です 。宿泊事業者は、ペット同伴での滞在を快適にするための設備投資やサービス開発に取り組み、マーケティングやコミュニティ活動を通じて愛犬家にアプローチすることで、新たな顧客層を獲得します。
宿泊施設のブランディング、OTA関連施策、マーケティング、各種制作から施設運営まで幅広く対応可能です。
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