Booking.comで上位表示されるには?宿泊施設が実践すべき運用戦略ガイド

Category: Branding | Hotel Management
Author: Shibata
Date: 2025-05-05

はじめに

booking.com

OTA(オンライン旅行代理店)の中でも、Booking.comは圧倒的な認知度と利用者数を誇る世界的なプラットフォームです。特にインバウンド需要が回復しつつある今、多くの宿泊施設がBooking.comを活用し、新規顧客の獲得に取り組んでいます。当社の1000施設以上の運営経験に基づいたノウハウを公開します。

しかし、登録しただけでは予約は伸びません。ユーザーの検索結果に自社の施設が表示されなければ、どれだけ魅力的な宿でも“見つけてもらえない”のです。

本記事では、Booking.comの検索結果で上位に表示されるために必要な運用ポイントを、アルゴリズムの視点と現場の工夫の両面から、具体的に解説していきます。


Booking.comの表示順位はどう決まるのか?

Booking.comでは、検索結果に表示される順位(ランキング)は主に「コンバージョン率(=予約率)」を基準に決定されます。簡単に言えば、「よく予約されている施設」=「ユーザーの求める施設」=「上位に表示する価値がある」という評価です。

この考え方に基づき、Booking.comのアルゴリズムが重視する項目を見ていきましょう。

主な評価項目:

  • コンバージョン率(予約率)
  • 写真の充実度
  • 施設ページの完成度
  • 価格の競争力
  • カレンダー(空室)管理
  • キャンセル率
  • レビュー評価
  • 即時予約の可否
  • ユーザーとのコミュニケーション(返信スピード)

上位表示のために取り組むべき運用項目

1. コンバージョン率を高める

コンバージョン率とは「ページを見た人のうち、何人が予約したか」という割合のこと。Bookingはこの数値を非常に重視します。改善のためには:

  • 写真の充実:最低20枚以上、明るく高画質な写真を用意する
  • 客室説明:設備・アメニティ・間取りなどを明確に記載
  • 料金設定:周辺の類似施設と比べて割高感のない価格に調整
  • 予約導線:即時予約オン、キャンセルポリシーの分かりやすさ

2. 空室カレンダーの更新を欠かさない

「未来の在庫」がないと検索結果から除外されるケースもあります。最低でも2〜3ヶ月先まで空室を確保し、定期的に更新することで“アクティブな施設”として評価されます。

3. 写真と情報の整備:施設ページを100%に近づける

Booking.comでは施設ページの「完成度スコア」が表示されています。これが80%未満の場合、上位表示は難しくなります。

  • 写真:外観、内観、バスルーム、食事、共用スペースなど
  • 言語:日本語と英語の両方で情報を整える
  • マップ情報:位置やアクセスも正確に記載

4. 柔軟な価格戦略とプロモーションの活用

価格は単に安ければいいというわけではありません。「妥当かつ魅力的」であることが重要です。

  • 周辺エリアの競合施設と比較して価格を見直す
  • オフシーズンや平日に割引プロモーションを組む
  • 早期割引・リピーター割・長期滞在割引なども評価されやすい

5. キャンセル率を下げる

直前キャンセルやノーショウ(無断キャンセル)が多いと、施設の信頼スコアが下がります。

  • 予約後のフォローメールで再確認を促す
  • 事前決済やクレジットカード登録必須化で防止する

6. レビュー評価の向上

レビューは新規顧客の信用獲得に直結するだけでなく、アルゴリズム評価にも関わります。

  • 滞在後のお礼メールでレビュー投稿を依頼する
  • 清掃の徹底、わかりやすい案内、スムーズなチェックイン体験など、評価項目を意識した対応を行う

7. 即時予約の活用

「今すぐ予約OK」な施設は、表示順位が優遇されやすい傾向にあります。特に当日予約を含む需要に対応できる体制があると強みになります。

8. メッセージ対応を迅速に

返信までのスピードは施設の「信頼度」として計測されます。自動返信メッセージの設定や、チェックイン案内のテンプレート化も有効です。


補足:ブースト機能と有料施策について

Booking.comには、一時的に表示順位を高めるブースト機能や、Preferred Partner Program(優先施設プログラム)といった制度も存在します。

  • Visibility Booster:期間限定で表示順位アップ(追加手数料あり)
  • Preferred Partner:参加条件を満たすとBooking.com上で“信頼されている施設”として表示強化(手数料上昇)

いずれも利用は自由ですが、利益とのバランスを見ながら慎重に検討しましょう。


よくある落とし穴とその対策

  • 他サイトと価格がズレている → 「価格整合性」が崩れると評価が下がる
  • カレンダーが空いていない → 自動で非表示扱いになる
  • 説明文が曖昧/誤訳が多い → 外国語対応での予約率低下につながる

→ こまめな見直しと運用体制の整備が不可欠です。


おわりに

Booking.comで上位表示されるために必要なのは、“予約されやすい施設”であるという状態をつくること。

華やかな見た目や割引だけでなく、ユーザー目線で「この宿は安心して泊まれそう」「魅力が伝わってくる」と思ってもらえる運用が、アルゴリズムにも評価されるのです。

小さな宿でも、民泊でも、取り組めることはたくさんあります。まずは施設ページの見直しから始めてみませんか?

あなたの宿がもっと選ばれる存在になるよう、私たちもお手伝いします。

Mail Magazine

宿泊施設の売上アップ施策、ブランディング事例や、観光業界の市況など、宿泊施設運営に役立つ情報を定期的に配信します。

No Content >>

Contact Us

宿泊施設のブランディング、OTA関連施策、マーケティング、各種制作から施設運営まで幅広く対応可能です。
お気軽にお問い合わせくださいませ。

Contact