Category: Branding | Hotel Management | Business
Author: Shibata
Date: 2025.10.14
「立地がいいホテルは売れる」——その常識はもう古いかもしれません。 旅行者の関心は観光名所から“滞在体験”へ。いまは場所よりもコンセプトが単価を左右します。 本稿では、立地に頼らず価格を上げるための差別化デザイン戦略を、宿泊施設運営者向けに整理します。
OTAで横並び比較をされる時代、決め手はスペックではなく「どんな時間を過ごせるか」です。 例:森に浮かぶような客室、一棟貸しの静寂、自宅のように気兼ねない素泊まり体験——いずれも立地に依存しない価値です。 まずは「売るのは睡眠か、物語か」を定義し、その体験を中心に空間・写真・コピー・価格を統合します。
デザインは装飾ではなく、価格を正当化する言語です。 ロゴ・内装・写真・Web・パンフレットが一貫している施設は「この価格が妥当」と感じさせます。 逆に、現地とWebのトーンがズレると期待値が崩れ、価格への不満が生まれます。
「自然と調和」「大人の隠れ家」といった抽象的な言葉だけでは差別化になりません。 コンセプトは空気で伝えるもの。入館直後の香り、照度・色温度、器の質感、Webのフォントや行間—— 細部の連鎖が世界観を立ち上げ、感性で選ばれる状態をつくります。
どれほど美しい建築やサイトでも、運営が追随しなければ体験価値は崩れます。 清掃品質、チェックイン体験、朝食の一貫性、レビュー対応速度までを含めてブランド体験です。
駅から遠い=喧騒から離れた隠れ宿。海がない=山の静けさと夜空。周辺に飲食が少ない=館内ダイニングの体験強化。 弱点を隠すのではなく再定義して語ることで、唯一無二のポジションと価格耐性が生まれます。
結論:立地は変えられなくても、印象は変えられる。印象が変われば、価格が変わる。 価格が変われば、運営が変わり、レビューが変わる——この好循環をデザインするのがブランディングです。
株式会社Archは、宿泊施設に強いブランディング/WEB制作/運営支援を一気通貫で提供します。 1000施設超の運営実績とAirbnb Best Contributor Awardの経験を活かし、 世界観設計から清掃・レビュー運用・プライシングまで伴走。立地に依存しない“選ばれる理由”を設計します。
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