
はじめに:カントリーリスクは「避ける」のではなく「備える」もの
宿泊業界にとって、特定国(特に中国市場)の訪日規制や経済変動は、自社の努力だけではコントロールできない最大のリスクです。しかし、一部の施設はこうした波風の中でも、安定した稼働率を維持しています。その差はどこにあるのでしょうか。
「数」のインバウンドから「ファン」のインバウンドへ
かつての「爆買い」に象徴される団体客頼みのモデルは、効率は良い一方で、蛇口を閉められれば一気に干上がる危うさを持っています。
- 脱・属性依存: 「中国人客」という属性で括るのではなく、「私たちの施設のコンセプトに共感する人」というペルソナ軸にシフトする必要があります。
- ブランドの独自性: 世界中のどこにでもあるホテルではなく、「ここでしかできない体験」を定義すること(ブランディング)が、特定の国籍に縛られない集客の第一歩です。
IT・不動産視点から見た、経営の安定化を図るためのポートフォリオ戦略です。
特定市場に左右されない「3つの分散戦略」
- ターゲット国の多角化: 欧米豪、東南アジア、そして底堅い国内需要。Webサイトの多言語対応と、国別のニーズ(例:サステナビリティ、長期滞在設備)を反映したコンテンツ設計が不可欠です。
- 集客チャネルの自社化: OTA(宿泊予約サイト)内のランキング争いから脱却し、自社サイト(SEO/MEO)で直接顧客とつながる「デジタル資産」を構築します。
- 付加価値による単価向上: AIを活用した需要予測や、Webサイトでの魅力的な体験訴求により、集客「数」に頼らず「利益率」を高める体質を作ります。
究極のリスクヘッジは「リピーター(LTV)」の最大化
外部環境がどれほど変わっても、一度宿泊してファンになった顧客は戻ってきます。
- Webサイトを「関係性の拠点」にする: 予約して終わりではなく、滞在後もSNSやメルマガ、会員限定ページを通じて繋がり続ける仕組みが必要です。
- 直接予約のメリット: 自社予約率が高い施設ほど、顧客データを直接保有できるため、情勢不安時にも迅速にダイレクトマーケティング(再来訪の促進)を打つことができます。
結論:今こそ「宿の根幹」を見直す時
中国の規制のような事象は、今後も形を変えて必ず発生します。その度に一喜一憂するのではなく、どんな時でも選ばれる「強いブランド」と、自ら集客をコントロールできる「自社サイト」を持つことが、唯一の解決策です。
「あなたの宿は、10年後も選ばれ続けますか?」 株式会社Archでは、1,000施設以上の運営実績に基づき、外部環境に左右されないブランディングと、収益を最大化するWebサイト制作を一気通貫でサポートします。 宿泊施設特化のWEB制作詳細を見る
執筆者

株式会社Arch
代表取締役 柴田敬介
1985年兵庫県生まれ。京都工芸繊維大学・造形工学科卒。建築専攻。
新卒でSMBC日興証券株式会社に入社。コンサルタントとして勤務。社内表彰を多数獲得し最年少管理職(当時)に。5年の勤務の後に起業。
2013年、株式会社XS創業。代表取締役就任。Web開発、地方創生ビジネスなどを展開。地方創生では、全国の道の駅グルメNo.1を決定するグルメグランプリを10万人規模で開催。当事業を讀賣テレビ放送株式会社に事業譲渡。
2017年、民泊事業を行う株式会社グランドゥースをAPAMAN株式会社とジョイントベンチャーにて創業。代表取締役就任。その後丸紅株式会社から出資を受け同社の持分法適用会社となる。創業3年で売上13億円、1000以上の施設を運営し、国内最大規模の民泊運営会社となる。AirbnbのBest Contributor Awardを獲得。東証への株式上場を控えていたものの、コロナウィルス蔓延に伴い事業縮小を余儀なくされる。
2023年、これまで培ってきたビジネス開発、ブランディング、Webデザイン、広告などの知見を元に、宿泊施設のブランディング、運営事業を行う当社を立ち上げ、代表取締役就任。