Research

温泉旅館の公式サイト実態調査 2026|AI検索対応3.9%の詳細データと評価基準

調査主体: 株式会社Arch
公開日: 2026.07.14

全国主要温泉地の旅館・ホテル「公式サイト実態調査 2026」詳細レポート(第1回)

株式会社Archは2026年7月、草津・箱根・別府・由布院・道後・有馬・下呂・城崎の全国8温泉地の旅館・ホテル76施設を対象に、公式Webサイトの実態調査を実施しました。本ページでは、プレスリリース(→PR TIMES掲載ページへリンク)では紹介しきれなかった評価基準の全文と、温泉地別の詳細データを公開します。

本調査の数値・図表は、出典(株式会社Arch調べ・本ページURL)を明記のうえ、自由に引用・転載いただけます。

全国8温泉地・温泉旅館76施設・「公式サイト実態調査2026」

調査概要

調査名は全国主要温泉地の旅館・ホテル「公式サイト実態調査 2026」(第1回)。調査主体は株式会社Arch、調査時期は2026年7月です。対象は8温泉地の旅館・ホテル計80施設のうち、公式サイトを持ちアクセス可能な76施設。選定は各温泉地の旅館組合・観光協会の公式サイト掲載施設一覧より、掲載順に公式サイトを持つ上位10施設を機械的に抽出しました(選定の恣意性を排除するため)。調査方法は公開されているWebサイトの外形的確認(プログラムによる機械的判定)です。

なお本調査は公開情報に基づくWebサイトの外形評価であり、施設の宿泊サービス品質を評価するものではありません。個別施設の調査結果は公表しません。

評価基準の全文(10項目・各10点)

各項目の判定方法を以下にすべて公開します。

1. HTTPS対応 — httpsでの接続が正常に確立できること。SSL証明書の有効性を含む。通信の暗号化はブラウザの警告表示を防ぎ、検索エンジン・AIの評価の前提となる基本項目。

2. スマートフォン対応 — HTML内にviewportメタタグが設置されていること。モバイル表示への最低限の対応を示す指標として採用。

3. 表示速度 — トップページのHTML応答が3秒以内に完了すること。表示の遅さは直帰率と予約離脱に直結する。

4. 予約導線 — トップページ内に「予約」「宿泊予約」「booking」等の予約関連リンク・ボタンが存在すること。公式サイトに来訪した旅行者を予約に導く最重要導線。

5. 自社予約エンジン — 主要予約システム(宿泊予約エンジン・サイトコントローラー連携等)の導入痕跡がHTML内に確認できること。OTAに依存しない直接予約の受け皿の有無を示す。

6. 多言語対応 — hreflang属性または言語切替UI(English等の表記)が存在すること。訪日外国人旅行者の受け入れ体制の指標。

7. 構造化データ — JSON-LD形式の構造化データ(schema.org準拠)が設置されていること。検索エンジンとAIがサイト内容を正確に理解するための記述。

8. llms.txt — サイトルートに llms.txt(AIにサイト構成を伝えるファイル)が設置されていること。AI検索対応の先進指標。

9. AIクローラー許可 — robots.txtでGPTBot・ClaudeBot・PerplexityBot等の主要AIクローラーをブロックしていないこと。AIに読まれる「入口」が開いているかの確認。

10. 運営者情報 — 会社概要・運営会社・特定商取引法表記・プライバシーポリシー等の記載が確認できること。AIが推薦時に参照する信頼性シグナル。

全体結果:項目別達成率(n=76)

評価項目達成率
表示速度3秒以内97.4%
AIクローラー許可97.4%
HTTPS対応92.1%
スマートフォン対応88.2%
予約導線あり85.5%
自社予約エンジン69.7%
多言語対応67.1%
運営者情報の明示44.7%
構造化データ28.9%
llms.txt設置3.9%
温泉旅館公式サイトの項目別達成率

基本的な技術対応(HTTPS・速度・スマホ)は9割前後に達している一方、「AIに読まれる準備」(構造化データ28.9%・llms.txt 3.9%)との間に大きな断層があります。AIクローラーのアクセス自体は97.4%の施設で可能なため、「入口は開いているが、読ませる準備がない」のが温泉旅館公式サイトの現在地です。

温泉地別の詳細データ

総合スコアは10項目の達成率平均(100点満点)です。

温泉地施設数総合スコア多言語対応構造化データllms.txt運営者情報
別府1073点7施設3施設0施設6施設
道後1073点9施設3施設0施設7施設
有馬1072点7施設4施設2施設5施設
草津971点6施設2施設0施設6施設
城崎868点4施設6施設1施設3施設
箱根1062点5施設3施設0施設3施設
下呂1062点6施設7施設1施設2施設
由布院959点6施設7施設0施設2施設
温泉地別公式師と総合スコア
  • 別府・道後(73点):基本項目の達成率が高く、特に道後は多言語対応9/10と、インバウンド受け入れの先進地であることがデータにも表れました。
  • 有馬(72点):8温泉地で唯一llms.txt設置施設が2つあり、AI対応の萌芽が見られます。
  • 草津(71点):基本対応は堅実な一方、構造化データは2施設にとどまりました。
  • 城崎(68点)・下呂(62点)・由布院(59点):構造化データの設置率は比較的高い(6〜7施設)ものの、運営者情報の明示が2〜3施設と少なく、信頼性シグナルの面に課題があります。
  • 箱根(62点):知名度に対してデジタル対応が追いついておらず、多言語5/10・運営者情報3/10でした。

なお、いずれの温泉地も「AI検索対応」はほぼ未着手であり、この領域は温泉地・施設規模を問わず、今から取り組めば先行者になれる状態です。

本調査の背景:旅行者の3人に1人が生成AIで宿探しをする時代

株式会社宿研の調査(2025年夏・n=1,000)によると、宿泊先探しにおける生成AIの活用率は32.6%、民泊・ゲストハウス利用者では58.5%に達しています。AIが「おすすめの宿」を数件だけ提示する時代には、公式サイトがAIに正しく読まれ、引用される状態になっているかが集客を左右します。

当社はこの変化に対応する宿泊施設向けサービス「Arch AIO / AI集客対策 for Hotels」を提供しています。自施設のAI検索対応状況を知りたい方は、AI検索診断(Arch AIO)をご覧ください。

引用・転載について

本調査結果(数値・図表)は、出典を「株式会社Arch調べ」とし本ページまたはプレスリリースのURLを明記のうえ、自由に引用・転載いただけます。メディア関係者の方には図版データの提供や追加集計のご相談にも対応します。お問い合わせよりご連絡ください。

今後の予定

本調査は定点観測として継続し、年1回の頻度で業界のデジタル対応の変化を記録していく予定です。第2回では対象エリア・施設数の拡大を検討しています。

PR TIMESでのリリースはこちらです。

引用・転載について

本調査の数値・図表は、出典を「株式会社Arch調べ」とし本ページのURLを明記のうえ、自由に引用・転載いただけます。 メディア関係者の方には図版データの提供や追加集計のご相談にも対応します。

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